Gうぐいすさん
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河野通直奮戦記−其の五「新たなる障害」
九州をほぼ統一し、河野氏は順風満帆であった。松を中心に薩摩・肥後の内政開発を行い、大内の同盟破棄を見越して、前線(岡豊・仏殿・城井谷・岩屋)の兵力集中を行った。総兵力は大内を凌駕し、大内の存続は同盟破棄とともになくなるはずであった。そこで、田舎大名(修行不足のプレーヤー)の悲しさか、不覚にも通直は東日本の情勢の把握が遅れてしまった。東日本では、北条、長尾が勢力を拡大し、長尾は近畿に、北条は東北に進出していた。鉄砲が伝来してない島津よりも、長尾の騎馬隊の方が脅威になるのは明らかであった。なのに・・・
房実 「大変でござる!長尾と大内が我が領内に攻めてまいった!」
通直 「何、長尾じゃと!もう長尾は近畿を制圧したのか?まさか、そんなに早く・・・。三好はどうなったのじゃ!」
家兼 「もう滅び申した・・・」
茂辰 「我が兵力では太刀打ちできませぬぞ!相手は精強で知られる長尾の騎馬隊。同じ兵力でも厳しいのは相違御座らぬ。なのに、相手の兵力はその4倍に御座る・・・。」
通直 「四国の基盤たる岡豊城は意地でも死守せよ。ここを落とされては、もはや反撃はできぬ。全兵力を岡豊に集中じゃ。あと、戦後の長尾の内部切り崩しの準備も整えるぞ!」
陶隆房を寝返らせ、岡豊に急行させる。馬場頼周も相手を2人暗殺して善戦した。だが、結局阿波全土、土佐の東半分は長尾の手に落ちた。ここに至り、通直は戦略の変更を余儀なくされた。
道雪 「とりあえず、拙者と国親殿は土佐に回りましょう。あと、毛利を壁にして、山陽・山陰の大内からの進攻を防ぎましょう。」
国親 「じゃが、大内と毛利は既に同盟を結んでおる。うまく行くとは思えんが・・・。」
道雪 「とりあえず、大内に、安芸を攻めさせる。おそらく、毛利は大内とともに攻めてまいりましょう。このときうまく山陽を毛利に占領させ、毛利が大内の行く手を阻むという形に持っていくので御座る。そうすれば、毛利は大国に挟まれる形となり、必ず、我が国にも同盟を求めて参りましょう。そうすれば、中国地方は放置してもしばらくは安泰で御座ろう。その間に、四国を制圧し、できることなら、淡路島も占領し、我が国の得意とする海戦に持ち込みやすい状況に持っていく。これならば、なんとかなるかと・・・。」
家兼 「三好は、堺での貿易で鉄甲船を購入したと聞く。それならば、三好の残党の中で、鉄甲船を所有する武将を寝返らせれば、海上で負けることはまずありますまい。拙者の乱波によると、かつて河野家にいた来島通康という者が、長尾の足軽頭で出仕し、かつ、鉄甲船を持っているらしいゆえ、早急に調略の使者を送る所存に御座りまする。」
通直 「何、通康が長尾の足軽頭で出仕しておると!そうじゃった、やつがおらねば、そもそも土佐に進出できんかった・・・。よし、通康には、わしが自ら赴こう。さて、これから我が国は正念場を迎えるのう。では、山陽の合戦誘発は、発案者の道雪に任せる。隆房、彼を補佐してやれ。あとは、岡豊に集結じゃ。長尾を駆逐するぞ!」
さて、大変な状況に陥ってしまった河野氏。長尾氏の猛攻にふんばれるのか、それとも、屈してしまうのか・・・それ以前に、毛利との同盟交渉はうまくいくのだろうか。問題山積みのまま、続く。