ちゃちゃおさん
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勝手に憶測、ゲームメーカーの状態
いまいちのゲームが市場に出るまでの過程を推測し、2人の人物の会話風にして書いてみました。
なお念のため言っておきますが、以下の文章は特定の企業やゲームを想定して書いた物ではありません。あくまでも架空のゲームとしてお考え下さい。
なお、私はTVゲームとは全く関係ない職業の人間なので以下に書くことは全て憶測にすぎません。「俺はゲーム会社に勤めているけど実際は違うよ」という方がいらしたら、実状について書いていただけませんでしょうか?
A:「前作はすごく優れたルールで大ヒット。今度もいいゲームを作ろうな。」
B:「ええ。でも、今度も同じ性能のパソコン(PC9801VM)が最低動作条件だそうですよ。」 ※1
A:「まじい?同じ性能のパソコンであれ以上のゲームを作れって言うのお?」
B:「そうなんです。前作と同じゲームを作ったら、結局同じゲームになって二番煎じと言われちゃいますよ。」
A:「だったら、前作とは全く違ったゲームを作るしかないな。」
B:「ええ。でも、前作に見劣りするなんて言われたくないですよね。データやコマンドを増やして前作よりずっと上のゲームを作りましょうね。」 ※2
A:「ああ。俺達の技術力ならきっと大丈夫さ。」
かくして彼らは、「前作とは根本的なルールが違う巨大なゲーム」の制作にとりかかった。1年ぐらいしてプログラミングは終了し、バグ抜きの段階に入る事になったのだが・・・
A:「だめだあ。また、バグだあ。」
B:「やっぱり全く新しいゲームを作るとバグがすごく多いですね」
A:「ああ。ゴキブリと同じく、1匹見つけたら50匹はいるというからな。心して探せよ」
B:「でも、ゴキブリと違って殺虫剤やゴキブリホイホイは効きませんよ」
A:「まったくだ。誰かバグを殺す薬を発売してくれないかな?(そんなのあるわけない)」
A:「せっかく苦労して作ったこのゲームだけど、ルールにも色々と欠陥があるぞ」
B:「ええ。作成時点ではこんなふうになるとは思いませんでしたが。やっぱり机上の計算はうまくいきませんね。役立ちすぎてバランスを滅茶苦茶にしたり、大した効果がないのに成功の可能性が極端に低くて全然役立たなかったり。せっかく設定したのに全く使わないデータもありますよ」
A:「うーん、困ったなあ。いい方法がないんだろうか?」
B:「成功率が1%もないこの部分ですが、成功率を50%にするため、データを変えてはどうでしょうか?」
A:「いいや、それは無理だ。そこをいじると今度は別の部分がおかしくなる。それに、コンピュータの思考ルーチンだって変えなければいけなくなるぞ。」
B:「もうこうなったらユーザーに遊び方を工夫してもらうしかありませんね」
A:「ああ、そうだな。少し不自由するかもしれないけど、そこ以外ではすごくいいゲームなんだから。」
A:「ところで出版部がマニュアルを作りたいと言ってたぞ。今作らないと発売日に間に合わないそうだ」
B:「えーっ、まだルールが変わるかもしれないんですよ!どうするんですか、マニュアルとゲームが食い違ってしまったら」
A:「しょうがないんだよ。その時はその時さ」 ※3
どれだけの月日が流れたろうか?締め切りに追われる中、2人の生活は完全にゲーム作り中心となり、徹夜はおろか、寝袋に入り会社に寝泊まりする日々も続いた。
2人の努力もあって、バグは一通り修正できた。だが当初の発売予定日はとっくに過ぎてしまっていた。
A:「バグは直ったけど、ゲームバランスも直したいなあ。」 ※4
B:「ええ、いろいろ直したいですねえ。ここと、そこと、あそこと・・・」
A:「でも今から手を入れると新たなバグが発生するような気も・・・」
そこに営業部門の上司が登場。
C:「おい君たち、まだそのゲームをこねくり回しているのか?」
A:「まだ直したいところがあるんですが」
C:「だめだ、だめだ、だめだ。そんな事をしたら、我が社の他の作品とぶつかって売り上げが落ちてしまう。それにもう何ヶ月遅れたと思っているんだ。クリスマスまでには絶対に出すんだ!」
A:「でも、今の段階で売ると、ユーザーから不満も出ると思いますが」
C:「いいんだよ、中身がどうであろうと、問屋に売ってしまえば収入は変わらないんだから。それに君たちが不満に思っていても、いざ売ったら大評判という可能性だってあるじゃないか。」
C:「発売日は×月×日に決定だ。これ以上の遅延は絶対に許さん」 ※5
以上のようにして2人が作ったゲームは発売されることになった。人気作の続編だけあってよく売れたが、評判の方はというと・・・やはり開発の仕方に問題があったのかユーザーの評価はいまいちだった。
後日談
B:「今回のゲームはいまいちでしたねえ」
A:「ああ。開発時間に限りがあるのに、あれもこれもやろうとしすぎたなあ。」
B:「そういえば僕らが見つけられなかった致命的なバグをユーザーが見つけ電話をかけてきたようですよ」
A:「ああ。日本中でいろんな人がやるんだ。俺達やアルバイトだけでは起きなかったような状況も発生しうるさ」
B:「おかげでアップデートプログラムの発送に費用がかかると。またC課長がどなりこんできますよきっと」
A:「・・・(無言)」
B:「でも、厳しいですよねえ。毎回のように違ったルールのゲームを出さなければならないなんて。ド○クエやF○なんて、操作部分は毎回同じルールですよ」
A:「ああ、あのゲームはRPGだからな。シナリオとかグラフィックでいくらでもごまかせるんだよ」
B:「でも、同じSLGでもア○キーの○スタなんて、毎年同じルールですよ。面白い配合とかでっちあげてつけているだけじゃないですか。もう完全に居直ってますよあの人たち。CMでも『そんな私にダビがスタ』なんて言ってるし。」
A:「ああ、そうだな。でもお馬さんはいいよな。毎年新しいのが出てくるから新しいデータでやりたくなるんだよ。俺達なんて戦国時代だから絶対に変わらないんだぜ」
B:「ああいっそ今が戦国時代だったらなあ。毎年データが変わるのになあ」
A:「馬鹿言え。そんな状態だったら、俺達なんて足軽に駆り出されて今頃戦死しているよ」
とまあ、こんなやりとりが行われているのではないでしょうか?
なお、くどいようですが、この記事は特定の企業やゲームを想定して書いた物ではありません。私自身ゲーム制作(TVゲームではありませんし、アマチュアとしてです)の経験者として感じた、ゲーム作りの難しさ・つらさ・やるせなさを皆様に知っていただこうと思い書いた物です。
※1 戦国群雄伝・武将風雲録・覇王伝という3ゲームはPC9801VMという同一のパソコンを最低限の動作環境(フロッピーディスクドライブ2基、CPU8MHz、ハードディスクなし、メモリー640kB)として作られていました。
全く同一の条件で前よりいいゲームを作らねばならない。さぞきつかったでしょう。
その時代と比べればパソコンが進化するだけましになったと思います。前作よりひどく劣るゲームはまずなくなりました。
※2 面白いゲームを作る上でデータやコマンドを増やすことは必須ではありません。実際には、本当に必要なデータやコマンドだけを加えればいいのです。無駄に増やすとユーザーの混乱・ルールの破綻の原因になるだけです。
※3 まだソフトが完成していない段階でマニュアルを作るのはTVゲームだけでなくワープロソフトなどでもよくあるそうです。完成品がない状況で作られたマニュアルなんて・・・わかりづらくて当然ですよね。
ひどい例では、マニュアルの記述と実際のやり方が違っていたりするケースもあるそうです。
※4 ナムコやカプコンなどは、ゲームが完成した後自分達で徹底的に遊び、これで大丈夫というところまでゲームバランスを整えるそうです。
対戦格闘ゲームのはしりとして有名なストリートファイター�兇癲�対戦プレイがされる事を始めから狙い、実際に対戦を重ねながらゲームバランスを整えていたそうです。
なお、テストプレイをバランス取りと思われている方も多いようですが、実際にはバグ探しの段階をテストプレイと呼ぶそうです。バグだらけですぐ止まるなど滅茶苦茶な状況のゲームとは言えない代物・・・しかもそれを、何度も再プレイする。楽しい作業とはとうてい言えないそうです。
この話が本当だとすると、テストプレイヤーなどというのはちっとも面白くない仕事でしょうね。秘密は絶対厳守で、内容に関しては発売後と言えど話してはいけないそうですし。
※5 最終的な締め切りになると開発を打ち切って販売を強行。ユーザーにとってこれほど恐ろしい事態はないでしょう。でも、現実にはあるそうです。
もっとも、誰もが知っているような一流企業は、ブランドイメージもあるのでそんな馬鹿げた事はやらないようですが。締め切りはなし、せっかく開発したゲームでもクソゲーなら売らない(二流メーカーに転売し、そこに販売させるケースもあるそうです)という所も多いようです。
(ちゃちゃおさんからの修正ご依頼により、若干の修正をさせて頂きました。管理人)