Back to 歴史SLG Back to 歴史game

其の109

其の111




歴史game のお話 其の110


クリスタルロッドさん

将星録 大内リプレイ 第8回

将星録 大内リプレイ 第8回

 ゲーム開始から12年たち、やっと2つ目の城を手に入れた大内家。それも超強敵毛利を破った大金星で、自分でもちょっと信じられない気分です。これで中国地方の脅威が消えた(尼子は眼中になかったりする*1)ので、いよいよ九州征伐に乗り出すことができます。
 ところが困ったのは吉田郡山城で、他に家老や部将がいるにもかかわらず一門衆ということで涼子姫が城主になってしまいました。ということで今回は涼子姫の城主体験記をお送りします。

*1 まして三村などはもっと問題外(笑)

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
女城主−1567年11月

 あ、あたしが一国一城の主だなんて、どうかしてるわまったく。それに部下はむさい男ばっかりだし。まったくどうしようかしら。
 そうそう自己紹介しとくわ。あたしは大内涼子。生まれたのは1997・・・おっと、1549年だったな、確か。で今は花もときめく18歳。ついさっきまで生まれてはじめての戦でごつい男どもを率いていたんだけど、攻め落とした城に入ったとたん、なぜかあたしの席がみんなより一段高い所におかれていたワケよ。どーなってんのかしらこの世界は。
 あっ、パパからのお手紙読まなくちゃ。どれどれ。

「涼子よ。いきなり城主にしてしまって苦労をかける。しかしなってしまったものは仕方ないので、うまくやってくれ。内政はおまえも少しは経験があるから、おまえの好きなようにやってみるといい。それでもし敵が攻めてきたら、陶殿に『お願い尾張守様助けてー』といえばやつなら喜んで指揮を取ってくれるだろう。あっ、それと毛利の降将たちは昇進するまでたっぷりとこき使ってやれよ。
 わしは今、博多の商人との折衝で大忙しじゃ。これから立花山城に攻め込むのでその根回しをしてるところだ。ほんとは京で蹴鞠をしたかったんだが、京には阿蘇殿が常駐してるからわしの出番はないのじゃ。つまらんのう。
 まそういうことでがんばってくれ。    大内 義長  花押」

 な、なにが「尾張守様助けてー」よ。あいつは「晴ちゃん」って呼んでるんだからよけいなお世話ってもんだわ。あーそれよりもはやく内政の手配をしなくては。
 まずはこの焼け跡だらけのお城をなんとかしなきゃ。じゃあ晴ちゃんと三ちゃんとおぼっちゃん(毛利輝元)の3人でやってもらおうかしら。これでしばらくほっておけばいいわね。さああとは・・・おーい、毛利のじいちゃん

「お呼びでしょうかお姫様」

あんたこの城の城主だったでしょ。ここを治めるのにどうしたらいいか意見はない?

「それでは。内政に関してはお姫様が山口城でしてきたことをなされば結構です。先ほどの改修作業の手配はお見事でございました。あとはもっと優秀な家臣を増やすことですな。さいわい城下に私の息子で最も頭の切れる隆景がいるから、まずこれを登用するのがよいかと。」

むっ、ここで毛利の優秀さをひけらかそうとするとはなかなか喰えぬ奴。まあでも肉親が説得すればうちに来てくれる可能性が高いわね。じゃあじいちゃん、小早川の説得たのむわ。いってらっしゃい。ひらひらひら(手を振るしぐさ)

 あとは適当に町づくりと治水に人材を割り振っておけばいいかな。そういえば山口城下の内政はほとんど終わってるから、こっちにごっそり引き抜いてこようかしら。これはグッドアイデアね。パパが出かけてるうちに呼び出しちゃえ。えへ。

 あっ、じいちゃんのおかえりだわ。ちゃんと小早川を連れてきてるじゃん。えらいぞじいちゃん。やっぱ大河ドラマの主人公は違うわね。じゃあもう一人浪人で坊主がいるんだけど、あいつはどうかな? ねえじいちゃん?

「恵瓊殿はちと無理でござろう。彼は大内に深く恨みを抱いているからな。」

じゃああんたはなんなのよ、って言いたいところなんだけど、戦で潔く捕まったのと外出中に帰る城が無くなった者との違い、ってとこかしら。でも毛利のじいちゃんには恩があるんでしょ。なんとかならないの?・・・そう、みんな自信がないのね。じゃああたしが説得してみるわ。ねえねえそこのお坊さん。あたしんとこで外交官してみない?給料はずむわよ。あなたのためにでっかいお寺も建ててあげますわ。

「お帰り下さい。わしはしばらく世に出るつもりはありません。」

むっきー、よ、よくも私の誘いを断ったわねー。これは高く付くわよ。おぼえてらっしゃい。
 ・・・はあ、どうやら元毛利の浪人で取れそうなのはじいちゃんの子孫だけみたいね。しかたないから、じいちゃんと小早川とおぼっちゃんともう一人影の薄い奴(注:穂井田元清のこと)はしっかりこき使ってやるわ。みんな鍬もって治水してらっしゃい。
 こんな調子で内政を続けていたら、あっという間に城下が整備されてきたわ。やっぱり金に糸目を付けないのがよかったのね。それも毛利のじいちゃんがたくさん金をため込んでくれたおかげってもんよ。感謝してるわ。

 あそうそう隣の山口城なんだけど、吉川元春を登用して、早速九州に攻め込んでるんだって。パパも頑張るわね。ってあら、混乱してるわ。もうパパってば情けないんだから。(著者注:人のことは言えないと思う^^;)
 それからパパが混乱しっぱなしなので、残りの3人(弘中隆兼、天野隆重、益田藤兼)で城攻めを強行して、見事に負けたみたいね。それで混乱中のパパは敵の成松信勝とか言う猛将にこてんぱんにやられちゃって、命からがら逃げてきたって話よ。もう情けないったらありゃしないわ。
 それでパパはあたしに援軍をくれって泣き言を言ってくるかと思ってたら、それが何も言わずにまた出陣するのよ。なんでもパパは、「山口城の経済力と兵士数をなめるな」といってもう一度出陣の触れを出したそうなのよ。パパ素敵。かっこいー。それで集めた17750人の兵を率いてまた立花山城に向かっていって、敵の江里口と百武が外で仕事してる隙に城を取り囲んで(なんかせこいわね)、今度は一気に城を落としちゃったんだって。すごーい。でさらに城を一人で守ってた成松信勝を登用できたそうよ。それでパパは彼を「見どころのある若武者だ」と言って彼を部将に任じて家宝を分けてあげたんだって。これでうちの猛将が一人増えたって事になるわね。こっちの毛利一族はみんな即戦力にならない足軽頭だから、いきなり部将というのは大きいわよ。あーっ、あたしもまた戦に行きたくなってきたわ。

「姫、その前にもう少しお仕事をして勲功を上げないと戦でも十分に活躍できませんぞ」

作業着を着たままの晴ちゃんが城に戻ってきてこんなことあたしに言うのよ。確かにその通りよね。でもどんなお仕事したらいいかしら。

「ちょうど私の作業場が空いたので、そこを開墾なされたらどうでしょう。」

確かに城の西側にみすぼらしい田んぼがあるわね。じゃあちょっくら働いてくるか。
 それであたしが農作業に適した格好に着替えて城の外に出ると、晴ちゃんがなんと、城主の座においてあったあたしのお気に入りのけろっぴのクッションを取りのけて、そこに座っちゃったのよ。これはいけない、晴ちゃんが反乱を起こしたか、と思ってあわてて城に戻ると、なんのことはない、晴ちゃんはそそくさとけろっぴクッションを元に戻してうやうやしく自分の席に戻っていったわ。もうほんとに何考えてるのかしら。これじゃあ安心してお仕事できないわ。でも仕事しないと勲功が増えないから、結局は外に出るしかないのよね。こうなったら城を見張りながら仕事してやるわ。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
次回予告

 ついに九州に橋頭堡を確保した大内家。その前に立ち塞がるは佐賀城と八代城を持つ龍造寺隆信。この龍造寺を相手に大内家はまたも経済力と大兵力で力押しを試みる。さてその結果は如何に。
 次回将星録大内リプレイ第9回「正攻奇略」お楽しみに。

其の109

其の111